釉薬、うわぐすりを素焼き素地に付けることで、私たちは釉がけ(くすりがけ)とよんでい
ます。
これを、絵の具でも塗るように筆で“塗る”のだと思っている人は、 案外多いものです。
実際は、釉薬は原料の粉末を水で溶いてバケツなどにいれます。 それを沈殿しないように
かき回しながら、そのなかにドボンと“浸けて”しまうのです。
釉薬を素焼き素地に施す“施釉”は、殆ど“浸し掛け”“ズブ掛け”なのです。
素焼きは水分ゼロの状態ですから、水を中に吸おうとしますが、本来粉末である釉薬が表面
を覆い、水だけが素焼き素地のなかに吸われます。これが施釉(釉掛け)です。
うつわを中に浸けてしまうのですから、“くすり”という言葉とはイメージが違って、大量に必要とするものです。 時にはエア・コンプレッサーを使ってスプレー掛けもします。
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