“ワン継ぎ”

 ワン継ぎ

ワン継ぎとは、大型の壺・甕類を作るときに利用する手法です。

ロクロ水挽きでは、作れる最大の高さは、作者の二の腕の中間から手首までの長さです。
壺類の口から腕を入れて、底に届くまでが限界というわけです。
しかもこれは粘土を伸ばしている途中の限界ですから、仕上げ段階に入って胴をふくらませてゆくと、高さは更に減少してしまいます。
そこで職人は“ワン継ぎ”という方法を考え出しました。

壺類を下半分、上半分に分けて作るのです。壺を上下に二分すると、お椀のようなものが二つになります。下の写真を見てください。

甕・ワン継ぎ・下.jpg
これは傘立てまたは甕類の下半分を作ったところです。



甕・ワン継ぎ・上.jpg
上の写真は同じく上半分です。開口部を互いに接着して胴体が出来るのです。
上半分の方の、亀板にくっついている下の部分が、甕の口になります。接着してから拡げていって、クビの部分を薄くしてゆきます。そのために今はわざと細くしてあります。



ワン継ぎ完成.jpg

開口部同士を接着して、亀板から切り離します。全体のバランスを計りながら総体に拡げていって、フチを成形して完成です。



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