西洋人がカップに把手を付ける理由、というのをどこかで聞いた ことがあります。
どんなことか忘れてしまいましたが、たしかに外国のうつわには把手が多い。
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日本人は熱い“ゆのみ”だって把手なしで掴みあげます。
どこでも構わず掴める暢気さが、日本人は好きなんですね。
そのせいかどうか知りませんが、西洋のカップと比べて、日本のカップの把手づくりは、下手だと言われているそうです。
そんなことはない!と言いたいが、内心そうかも知れないとも思う。
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相玄窯で作る方法はイギリス式と呼ばれて、イギリスの 陶芸家バーナード・リーチさんが伝えたくれたもの と聞いています。
作り方は、普通よく見られる、把手をあらかじめ作っておいて、半乾きの状態でカップに接着するのではなく、“粘土の縒り土”をいきなりカップに接着して、それを手みず鉢に浸し、手みずを利用して、しごきながら、一気に把手の形をつくります。
形が出来たら、その動きのまま把手下部をカップに付けてしまうのです。
半乾きなどにはしない。
こうして、しごいている段階で出来た、流れるような把手のラインを保って、胴体に定着させるのです。
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第二のポイントは、一番負荷のかかる把手の付け根部分が最も太く、その把手上面とカップ本体の接するところが水平に近い。
この部分がV字型に切れ込んでいると、汚れも溜まりやすい。
また、ここが構造的には一番力の掛かる部分でもあり、、陶器という材質から考えてもベストな作り方だと、そう考えて作ってきた。
陶器の把手は磁器と同じような繊細さだと、心理的な不安を持つ人に与えるので、しっかりした作りが似つかわしいようです。
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木から枝が生えているように、カップの胴体からその一部として、繋がっているように・・・、
“成長して形になった” ようにつくるのです。
それが一番自然な強度を備えているように思います。
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