うつわ”などの工芸品は、作者の個性を表現するための手段ではないと思っています。
とは言え、作られた“うつわ”に作者の個性が反映されるのは当然のことで、そのうえ“こんなうつわ”を作ろうと思った動機、他ならぬ作者の動機があったはずでしょう。
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こんな“うつわ”の「こんな」は、例えば木の葉のようなとか、そういう意味ではなく、作者が自分の作る“うつわ”全体の中に、あって欲しいと願う、【ある感じ】のことです。
それは“なにかのような”という「形容詞」ではなく、何かを示す指示代名詞みたいなものでもない。
作者のなかに漂うものの謂いで、言ってみれば「形容詞」よりも「副詞」でしょうか。
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【ある感じ】!わかって頂けるでしょうか?
【ある感じ】を言葉に変えて表現することは比較的簡単です。
それは多分“詩”を作るのに似ているのではないかと思う。
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けれども言葉にしてしまうと、イメージだった筈のその言葉が、そのときに考えていたモノに限定されてしまって、あなたが作ろうとするもの全体を覆うイメージとして捉えるのが難しくなる。
だからいつまでも【ある感じ】です。あなたの心の中だけに漂わせておいてあなただけがその感じを感じていればよい。
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あなたの作品を支持して、買ってくれた人は、その【ある感じ】を、共感してくれた人です。
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