土を伸ばすということについて実際的技術的な話をしてみましょう。
あなたは土を伸ばす=薄くする、だから、親指と人差し指又は中指で、粘土の壁を挟み込んで圧迫していませんか?
ただ圧迫しても粘土はおとなしく薄くなっては呉れません。
ある程度は言うことを聞いていても、急に粘土は暴れ出します。
テレビのCMに良く出てくるアレです。
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言うことを聞かない者をコントロールするには、相手がが考えていることとは反対の方向にフェイントを掛けておいて、抵抗したところを本来の方向に引き戻してこちらの思うつぼにはめる。
これらのテクニックは粘土にも通用します。
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薄さを獲得するために拡げたものを 、続けてそのまま縮めてしまうのです。
ロクロの回転は殆どの人が時計回りで使っていると思いますから、土を伸ばすのは左手になります。
左手の親指と人さし指で、粘土が斜め上へ拡がる方向に、捻るようにします。
このままだと薄くなっても、鉢か皿のような形しかできない。
そこで、親指のしたに中指を突き出すようにして、粘土を中心部に向かって、押し戻すようになる指の形を作ります。捻るような形です。
薬指、小指もこれに沿うように土に触れるようにします。
右手は、湯飲みのような形なら親指と人さし指と、曲げた中指でコの字型を作り、これではさみますが、鉢のような形なら、親指を器の中に入れ、残り四本の指で下から支えるようにします。
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女性がスプーンでコーヒーをかき回しているみたいに、薬指やこゆびをピンと立てている人を見ますが、指を遊ばせるのは全くの無駄です。
十本の指全てが粘土に触れるように(出来ない場合もありますが・・)すると、手の位置と粘土の中心を保つための、安定性に役立ちます。
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それから大切なのは、手の移動方向です。水平に近ければ形は皿になるでしょう。斜め上に移動すれば鉢形になります。上垂直方向に移動すれば、切っ立ての湯飲み型になります。
上に、垂直方向に手を移動してゆくのは、すぐには出来ないでしょうから、だんだん垂直になるように練習してください。
上部が皿のように開いた切っ立ての湯飲みが、手の移動に従って垂直部分が伸び上がり、上端のフチまでくると、クリッとまっすぐになって終わる、そのようなイメージで
やってみて下さい。
この方法で、慣れれば湯飲みやマグ位のものなら、土取りから殆ど一手で所期の薄さ、高さに達することが出来ます。
そしてこの考え方は、ロクロ水挽きのあらゆる面で応用できます。
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